萌えっ子サービスマン

僕は所謂「保守メンテナンス」の仕事をしてて、相手がそれなりの会社の場合はまぁそんなヤツあまりいないんだけど、個人で経営してる商店やスーパーなんかだと「仕事にならねぇじゃねぇか!!早く直せコラ!10分で来い!」とか怒鳴ってくるヤツがたまにいる。10分て。用意して出発するだけで10分かかるわハゲ。


やっぱり怒鳴られたりするとそれなりに気分悪いし、それがスーパーだったりしたら絶対にそこで買い物なんかしないと思ってしまう。まぁ実際客先で買い物なんかしないけどね。休日に買い物に行ってそこのチーフなんかにばったり会って「機械の調子悪いから見てくれ」なんて言われたら目も当てられない。前に山形行った時に大宮駅の新幹線のホームでばったり客に会って、おっと、この話は暗黒すぎるからやめとこう。


そこでだ、ウチの会社も客に怒鳴られたりしないために可愛い女の子のサービスマンを育成したらどうだろうか。魚屋のイケイケオヤジだって、可愛い娘っ子が修理に来たらさすがに怒鳴ったりはしないだろう。しかもそれが萌えっ子ドジっ子サービスマンなら尚更で、メイド服なんか着て「修理に来たであります!」なんて敬礼ポーズを取ったらオヤジもメロメロだ。


ネジを締める時に声を出して「うんしょ・・・うんしょ・・・」とか言ったり、ドライバーを床に落とした時に「あーん、落としちゃったー。ユウったらドジっ子。てへ☆」なんて言ったりする。最悪機械が直らなかった時でも、オヤジを怒らせないように「ごめんちゃい☆ユウたんには直せなかったょ、テヘ☆」と言って敬礼ポーズで謝る。




最高だ。もし僕が魚屋で、こんな娘っ子が修理に来たら間違いなくブン殴る。

特技を身につけたい

人には無い特技を身に着けたいな、そう思ったんです。


いやね、何かこう飲みの場とかでですね、「ほらほら俺ってスゲーだろ!」みたいな、人に誇れるような特技が僕にはないなって事に気がついたんですよ。まぁ腕や胸の筋肉を見せびらかしたりはしてますけど、それは特技じゃなくてただの筋肉バカですからね。それに僕なんかよりハルクなヤツは山ほどいますし。

僕が身に着けたいのはまぁ何て言うんですか、それをやって見せただけでその場にいる皆が「すげー!抱いて!即!」って言い出すようなヤツなんですよ。老若男女が思わず股間がレッドホッドリナックスになるようなヤツなんです。

そこでまぁどんな特技がいいかなと色々考えたんですけど、どうも英会話とか暗算とかベタなヤツしか思いつかないんですよね。それにそもそも僕は本物のバカですからね、英会話なんてマスターするのに50年はかかると思います。マスターベーションなら5分もかからないんですけど。

やっぱり僕には頭を使うような特技は無理だと思うんですよ。日常生活でも頭を使うと言ったらせいぜい下ネタを考える時だけで、「逆手でチンコしごかれながら、逆手でサカってんじゃねーよwwwwwとか言われたい」なんてうんこみたいな事を思いつくのが朝青龍、違った、関の山なんです。

そうなると、やはり身体を使った特技が僕に向いてると思うんですよね。そこでインターネットを駆使して色々と探した結果、「読唇術」なんかいいんじゃないかな思ったんですよ。


読唇術とは・・・・

人の唇の動きだけを見て何を喋ってるか読み取る術。その発祥は武士の決闘と言われ、相手のセコンドの指示を読み取るところから始まったという。 −民明書房刊− 「決死の読唇術」より


とまぁ分かる人がいるのかどうか疑問な上にクソ面白くないギャグは置いといて、読唇術を身につけたらかなり自慢出来るんじゃないかと思うんですよ。恐らく皆さんの周りにも出来る人はほとんどいないはずです。

飲みの場で「ちょっと声出さないで何か喋ってみて」ってギャルに言って、ギャルが口だけを動かして僕に何かを言うわけですよ。そこで「何て言ったか分かったぞー」「えー、何て言ったと思うー?」「ア・イ・シ・テ・ルだろ?」「やだ・・・・恥ずかしい・・・抱いて・・・」なんて展開も夢じゃない!よーしパパ読唇術を身に着けちゃうぞー!!

そんで早速テレビを使って練習しようと思いまして、丁度さっき女子高生がインタビューされてたんで、テレビの音を消して唇の動きをジーっと見てたんですよ。そしたらパクパクと動く女子高生の唇を見てたら・・・フフ・・・・勃起してしまいましてね・・・・。それを嫁に見つかって「お前みたいな変態は出て行け。そして死ね」と三行半を突きつけられてしまいまして、これじゃ読唇術じゃなくて









独身術だぜ!!!


イエイ!!!

泣かれるのは苦手

女の人に泣かれるのって苦手なんですよ。


いやね、僕が女泣かせのジゴロのジゴローだとかそんなんじゃなくて、どちらかと言えば会社でウンコばっかりしてるただの童貞なんですけど、とにかく女の人に泣かれるとどうしていいのか分からなくなってしまうのです。

まぁ泣いてる理由にもよるんでしょうけど、まず何て声をかければいいのか分からないんですよね。慰めればいいのか、バカを言って笑わせればいいのか、はたまたそっとしておいた方がいいのか、とにかくどうしていいのか分からない。これが泣いてるのが男だったりしたら完全に放置するんですけどね。人前で涙を見せるような男に侍を名乗る資格は無い。

まぁもっとも女の人に怒られたり嫌われたりするのは得意中の得意でですね、女性に「キモいんだよこのインポ野郎!」なんて言われた日には思わず股間がレッドホットリナックスになって嬉し涙を流すとこなんですけど、逆に泣かれるってのはどうにも苦手なんですよね。まぁ泣きながら「キモいよ…このインポ野郎…」って言われたら、それはそれで股間がレッドホットリナックスなんだけど。


そういや昔こんな事がありました。


これは僕が小学生だった時のお話。僕が通ってた小学校の運動会のメニューに「着替え競争」なるものがあったんですよ。男女ペアになって50mを走るんですけど、25m地点に着替えポイントがありまして、そこで予め用意していた衣装に着替えて再び男女ペアでゴールを目指すという種目だったんです。

これ今書いてて思ったんですけど、よく考えたらとんでもないエロ競争だよな。男女ペアになって生着替え、しかも手を繋いでゴールしなきゃイカンてルールだったからね。今この競争に出られるんなら40分で12000円取られてもおかしくないわ。着替える衣装がセーラー服にルーズソックスなら20000円払ってもいいなうへへへへへ。


話を元に戻そう。


そんでまぁその着替え競争に僕が出た時の話なんですけどね、着替えのテーマってのが「将来の夢」だったんですよ。当時の僕の将来の夢は、いや、今の僕の将来も夢もそうなんですけど、圧倒的にプロレスラーなんですよね。だから僕は裸に黒パンツ姿に着替えようと思いまして、海パンを改造したレスラーチックなパンツを用意したんですよ。ちなみにペアの佐藤さんは白のナース服でした。ナース服は薄いピンクがいいのに。

そんで佐藤さんと共に衣装を手に持って走り出しましてね、着替えポイントに到着した佐藤さんは体操着の上からナース服を着始めたんですけど、ここで僕はある事実に気が付いてしまったのです。







俺はどうやって黒パンツに穿き替えればいいんだ


そう、そうなんですよ。体操着姿から裸に黒パンツ一丁になるには、どう考えても一旦ポコチンを出さなきゃいけないんですよ。そんなとこまで考えてなかった。大勢の父兄が見守る中、いきなりポコチン出すとか頭おかしいにも限度がある。まぁそれでも着替えないわけにはいかないですからね、「やべぇ…恥ずかしい…」とか言いながら、上着で必死にポコチンを隠しながら着替えたんですよ。そんで着替えながら佐藤さんを見たら







泣いてた


うん、何か顔真っ赤にして泣いてた。これはきっと「将来はプロレスラーになるなんてY君素敵!抱いて!即!」っていう感激の涙じゃなくて、こんなバカと手を繋いでゴールするなんて死んでもイヤ!っていう涙だったんだと思うんですよね。ほんと泣かないで下さいと。私のお墓の前で泣かないで下さいと。

まぁラストはご想像の通り佐藤さんは手を繋いでくれなくてですね、父兄にゲラゲラ笑われながら別々にゴールをしました。こりゃお父さん達怒ってるかなと自分の両親の方を見たら、2人揃って腹抱えて笑ってました。ダメだこりゃ。


まぁそんな感じで女性に泣かれるのは苦手なんですけど、罵倒されるのは大好きですからね。女子高生の皆さん、街で僕に会ったら気軽に「ウンコ野郎!インポ!」と罵倒して下さいやうえへへへへへ。

33にもなってこんな事書いて喜んでるって母親が知ったら泣くわ。

途中でヤメるな

「やっぱり言うのヤメとくわ」

このセリフを聞いた瞬間に僕はピーンときましたね。ああ、コイツは僕に惚れてるんだなと。


これは僕が中学生だった時のお話。

ある日の放課後、部活を終えて教室で1人帰りの支度をしていると、同じ部活の女子部の三浦さんが教室に入ってきて僕に声をかけてきました。

「男子も今終わり〜?」

僕と三浦さんは小学校が一緒だった事もあり、それなりに仲の良い間柄だったのです。「ああ、さっき終わって帰るとこ。疲れたよ」僕はそう答えました。そしてそれから他愛もない世間話を三浦さんとしていたんです。今思えばこの時から三浦さんの様子はいつもと違ってるような感じでした。

しばらく会話をしていると、突然三浦さんが「ねぇY。あ、あのさぁ…」と言って黙ってしまいました。そして僕が「何?」と聞くと、「やっぱり言うのヤメとくわ」と言って再び黙ってしまったのです。

ここで冒頭のヨミですよ。このシチュエーション、間違いなく三浦さんは僕にホモの字、違った、ホの字じゃないですか。僕に好きだと言いたいんだけど、やっぱり恥ずかしいから言うのヤメよう、そんなセンチメンタルジャーニーな状態じゃないですか。

まぁ僕には松口さんっていう好きな子がいてですね、その事は何故か同級生のほとんどが知ってまして、何故かっていうか自分で松口さんが好きだって言いふらしてたからなんですけど、とにかく松口さんの事はこの際忘れてですね、三浦さんの告白をガップリ四つで受け止めようと思ったんです。さぁカムヒア!

そう思った僕は三浦さんに「何だよ。言いかけて途中でヤメんなよ。気になるじゃん」と言いました。いや気になるも何も全部分かってるんですけどね。ほら、好きって言わせたいじゃん。わー、Y君てばやーらしぃー。

すると三浦さんは「そう?じゃあ言うけど…」と前置きしてこう続けたのです。






「松口さん彼氏出来たんだって」

うん、何そのいらない情報。ていうかお前俺の事が好きなんちゃうんかと。俺に告白しにきたんちゃうんかと。ほんとスカートめくるぞ。

そして動揺した僕が「あっ…そうなんだ…。じゃあ三浦さん俺と付き合う?」と言うと、三浦さんは「うーん」としばらく考えた後「やっぱりヤメとくわ。じゃあね」と言い残して教室から立ち去っていきました。教室の窓から見える夕焼け空はどこまでもオレンジだった。



言葉には不思議な力があると言われ、それは一般に「言霊」と呼ばれています。言葉にしたら願いが叶ったとか、言葉に出した瞬間に何かが起きたとか、それらは言霊の力と考える人も少なくありません。

僕も昨夜「はー。オナニーでもすっかなー」と言葉にしてからオナニーしたら、言霊の力なのか発射地点が予定と大幅にズレてしまい、これじゃ言霊じゃなくて






やっぱり言うのヤメとくわ。